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2023.10.18

中学講話が行われました

2学期中間考査最終日の10月11日(水)、考査終了後に中学講話が行われました。
この日は霊南坂教会から主任牧師である後宮敬爾先生にお越しいただきました。
中学3学年の生徒たちが、大講堂で聴講いたしました。

本校では宗教教育は行っておりませんが、年に1度創立者である前田若尾先生とゆかり深い霊南坂教会より牧師先生にお越しいただき、宗教のお話ではない講話をしていただいております。
本日の講話の主題は「幸福な家族が人生を幸福にする」です。

「皆さんは何歳まで生きますか?」というスライドを表示され、後宮先生は生徒たちに質問を投げかけられました。
「80歳?」「90歳?」と選択肢が示されると、生徒たちは自分が予想する年齢に積極的に手を挙げていました。
欧米の最新の研究によると、日本で2007年に生まれた子どもの寿命中位数が107歳と推測されるというデータが紹介されると、生徒たちは驚きの表情をしていました。
後宮先生は、10年後に生徒たちが就職する際に、半数は今は存在しない仕事に就くということも紹介され、「これから何が起こるか誰もわからない時代を、107歳まで生きる皆さんに必要な力とは何でしょうか?」と問いかけられました。
それは「幸福に生きる力」であると語られました。

では、幸福に生きるためにはどうしたらよいのか。
先生は詩人であり画家である星野富弘さんの生き様を紹介されました。
若い頃、体育教師をしていた星野さんは、不慮の事故による頸椎損傷で首から下が動かない身体になってしまいました。
自暴自棄になりかけた時、幼い頃よく通った道から見えるお墓に書かれていた「すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところに来なさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます。」という言葉を思い出されたそうです。
「今、このままの自分で、できることをすれば良い」と思うようになった星野さんは、口で咥えた筆で文字を書き、そして絵を描けるようになりました。

その星野さんを献身的に支えたのは、お母さんでした。
星野さんのやり場のない怒りを全て受け入れてくれ、つきっきりの介護をしてくれた母親の「私の身体を切り刻んででも、生きる力を富弘に与えたい」という言葉が、星野さんの心には深く刻まれているそうです。
全てを失った星野さんが幸福に生きられたのは、「『家族が生きてほしいと思ってくれた』、『家族が共に生きようと思ってくれた』からです」と言葉を添えられました。

後宮先生は、最後に生徒たちにこのようにお話をされ、講話を結びました。
「皆さんが幸福に生きるためには、良い人間関係を築くことが大切です。良い友達を持つこと、そして自分が良い家族になること。そうすれば、未来に前向きに生きることができるはずです。」

後宮先生の講話を通して、生徒たちには明日からの生活をより実りの多いものにしてほしいと思います。

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