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2024.11.20

「税についての作文コンテスト」で川崎北税務署長賞受賞

国税庁と全国納税貯蓄組合連合会が共催する、中学生の「税についての作文」コンテストで、本校中学3年のY.Rさんが「川崎北税務署長賞」を受賞しました。
中学生の「税についての作文」コンテストは、将来を担う中学生が税に関することをテーマとして作文を書くことを通じて、税について関心を持ち、正しく理解を深めることを目的として毎年開催されています。

Yさんは「糸を縒る過去、繋ぐ現在、紡ぐ未来」というタイトルで作文を執筆しました。
先日行われた贈呈式では、川崎北税務署長から賞状を受け取り、作文を朗読しました。
受賞作を掲載いたしますので、是非お読みいただければと思います。

「糸を縒る過去、繋ぐ現在、紡ぐ未来」

 「税」と言われ、歴史好きの私が真っ先に思いつくのは、「租・調・庸」であろう。「過去」と「現在」を繋ぐものであって、それがどう私の未来へと繋がっていくかは見過ごしたままこの15年間を生きてきた。ふと教科書を眺めていて目に留まったのが国の歳出の内訳の一つである「文教及び科学振興費」である。税に興味の無かった私が、初めて税が未来へと紡いでいた戸を叩いた瞬間であった。
 「文教及び科学振興費」が為している項目の一つとしては私たち学生の教育を支援することそして日本の基礎研究を支援することだ。詳しく調べてみたところ、小学校の6年間だけでも一人当たり約550万円ほどの税金が使われており、更には小学校中学校教育における教育費の9割を税金が占めていることには驚愕した。確かに思い返してみれば「この教科書は日本を担う皆さんのー」という文言が教科書の裏側に記載されていたのを見たことがある。日本の識字率がほぼ100%であることは、正に教育資金を援助している税金が生んだ産物であろう。無関心のうちに過ごしていた私の裏で「税」は教育へと成り代わって私を支援してくれており、私の「未来」への第一歩をその手によって歩ませてくれていたのである。
 私の学生生活だけではない。私の将来の夢の一つに研究者が挙げられるが、この「文教及び科学振興費」は大学や研究所などにおいての研究の費用を助成してくれる。宇宙滞在やエネルギー節約などが叫ばれる今世紀において、科学技術の振興は国力を高めるものそして「未来」を生きる世代が快適に地球に居住できるものに他ならないだろう。税金は最早私を「未来」へと歩ませてくれるだけではなく、自分の将来の道をも支えてくれ、更には国全体の明日を紡いでいる存在であることに気がついた。
 私個人の話をし続けていたが、税金が支えてくれるのは勿論私だけではなく社会の「未来」である。「文教及び科学振興費」は税金の一部に過ぎず、税金はその全てをもって私たちの生活の利便性に貢献している。「過去」の人々、そして「現在」の人々も税金を払い続けてくれたお陰で、「現在」を生きている私、そして「未来」を生きる誰かを支えてくれているのである。税金による助成は「国」から支給されているように思ってしまうが、実は顔も知らない誰かによる支援なのである。何とも時代が生んだ温かい循環ではないだろうか。「過去」の人々はその昔の「過去」の人々の税金によって支えられ、「現在」と「未来」の人々を支えているー。
 この温かい循環の中で生きている私も、今度は「社会」に貢献して恩返しをしたいと思う。私がこれから行っていく小さな支えが誰かの「未来」を紡ぐのなら、私は喜んで税金を払おうと決意した、そんな一夏となった。

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