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校長 前田隆芳
Takayoshi MAEDA |
中学・高校の6年間は、見るもの聞くもの何でも吸収していく人生で最も多感な時期であり、その身体的・精神的な成長の度合いには目を見張るものがあります。
こうした時期、学校の使命は、「生徒の一人ひとりの人格を磨き、その持てる能力や個性を引き出す」ことであり、それは「学力にとどまらない人格の練磨と育成」という極めて崇高なものであると思います。
本学園の創始者前田若尾先生が掲げられた「社会に有為な女性を育てる」という教育目標は、85年を経た今も色あせることなく本校の教育の根底を支えており、時代の推移とともに、その精神に沿った新たな女性の生き方が模索されています。
先ごろ行なわれた未婚男女への結婚に対する意識調査では、結婚後も共働きを望む割合が男性では70%以上、女性でも67%以上という結果が出ていました。その背景には、もちろん経済的な理由もあるのでしょうが、「生きがいやライフワークとしての仕事を持った自立した女性」を望む声も小さくないようです。
いずれにしても、これまで女性側からの希求として捉えられていた女性の社会進出が、男女に共通するテーマとして捉えられるようになってきた社会意識の変化を窺い知ることができます。
結婚し家庭を持つことと、仕事を通して社会に貢献し、自己実現を図ることの両立が難しい選択ではなくなってきつつあることは、女子教育の在り方を大きく変えることにつながるのではないでしょうか。
本校がこれまで取り組んできた教育は、生徒たちの意識と能力を高めることによって、新たな女性の生き方を探し出し、社会での自己実現の可能性を広げることに目標を置いてきました。
つまり、視線は常に、「社会でいかに活躍できるか」に向けられており、その実現のためのより有利なスタンスを創り出すことに努力を傾けてきたわけです。
社会で活躍するための教育をなぜ中学高校の段階で?と疑問を持たれる方がいるかもしれません。
確かに、そのための専門知識や様々なスキルを身につけるのは高等教育の役割でしょう。しかしながら、活躍のために不可欠な人格と能力の土台は中学・高校の6年間で形成されることが必要となります。
特に発達段階が早い女子においては、かなりの次元までを大学進学以前までに整えておくことが重要であり、その後の発展は中学・高校の6年間にかかっていると言っても言い過ぎではありません。
社会での活躍を目標とした本校の教育の重要なテーマは、「主体的に行動する」ということです。それは他人に言われて行動するのではなく、自分の人生を自分で決め、自分が主役となって行動できる人となるということです。
そのために学校という一つの小さな社会で、大学卒業後の社会進出に向けてどのような準備をするべきか?ここにこそ私たちの教育の視点が置かれるべきだと考えています。
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その一つは「幅広い知識と高い学力」、一つは「豊かで柔軟な感性」、一つは「コミュニケーション能力」、一つは「広い視野」。この四つの視点を柱とした育成計画に沿って、様々な教育プログラムを整備し、成果を検証しながら充実を図ってきました。
その内容と成果については、今後もより厳しく検証され改善されていく必要があると考えていますが、ここにきて、そのシステムやメニューに関しては、納得できる一定の形が出来上がり、ようやく成熟期に入ろうとするところまできたということです。
その判断の根拠は多面に及びますが、カリキュラムにおいては、出来るだけ多くの科目を履修すべきであるという観点から、高校二年生まで文系・理系の関係なく全員が5教科を履修するという編成によって、生徒の進学に関する選択肢の幅を大きく広げ、さらに可能性を高めることに繋がりました。
また体育祭や洗足祭、生徒会、クラブ、委員会等の企画・運営を生徒が担うことによって、そして模擬国連、UNIS -UN、次世代リーダー養成塾、ディベート大会などへの挑戦を通して、モチベーションを高め、主体的に生きる土台作りをすることができるようになってきました。生徒たちが社会に出てから、夢や目標としてさらに大きなビジョンを描き、それを主体的に実現していく意識と能力を養える教育環境が整ってきたのです。
成熟期に至ったとしても、洗足の教育進化が止まることはありません。社会での活躍を目標とした教育内容の検証はこれからが本番であり、卒業生たちの行く末をつぶさに見据えながら、「幸福な自己実現」と「新たな舞台の創造」を目指していきます。
生徒たちが既存の枠組みを超えて、生き生きと輝きながら活躍できる舞台を、社会の中に創り出して欲しいと願っています。
その実現のための能力と逞しさを生徒たちの中に育てていくことこそ、最も重要な成長の時をお預かりする私たちの使命です。
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